「へえ、そこまでしてくれたんだ」
「本当に馬鹿だからな」
魔王さま達はノロケ話を咲かせつつ、次々生まれる火花を見守る。
勇者の資質ではアイオネが圧倒するはずなのだが、下で続いている戦いは互角の模様。
互角ゆえに、戦いはヒートアップし、火花が生まれる間隔はどんどん短くなり、一度に生まれる火花の量も増えていく。
黒の魔王さまが、いまさら言う。
「あー、そろそろとめないと、どっちか死んじゃいそう」
「うむ、手足の2、3本なら後でどうにかできる友達がいるから許可したが、これは身体が真っ二つの勢いだな」
金の魔王さまが同意。
「とめる?」
「とめる」
「じゃあ、とめて」
「ん?別の自分任せか?」
「だって私、ひとりでここから降りられないもん」
「……」


