「ええ、まあ、可能性のひとつとしてですが……」
魔王さまの身体が子供サイズなのは、元の魔王さまが100分裂した影響だと思っていたシルキス。
他の魔王さまも
同じぐらい小さい可能性が高く、
もしかしたら
シルキスでも見分けがつかないほど、
そっくな魔王さま達が、
100人いるのかもしれないと考えていた。
それがさらに外見だけでなく、
中身まで一緒だったらどうしようかと密かに悩んでいたのは秘密。
「ええい、自分を撫でるなっ」
金の魔王さまは、黒の魔王さまの手を払う。
そして、眼下のシルキスに言う。
「良かったではないか、これでおまえにとって私は、分かりやすく私ひとりだ。もう、私そっくりな私に囲まれたらどうしようとか考えなくていいぞ」
「はは、そうですね」
さすが、
一年も一緒に寝起きしている魔王さま。
心の隅を読まれていた。


