なるほど、最初の話相手として選ばれたわけだ。
キーヤは、この人選を決めた者達に感心する。
……シルキスは常に除いて。
キーヤは、エミリオに言った。
「自分は、それと全く同じ信書をこの都市を治める代表者に読ませろと言われている」
「代表者にか……」
エミリオは、考える。
「それは君達が直接代表者に会って、信書を手渡すという意味だね」
「その通りだ。できるか?頼む」
「ここで頼むときたか」
エミリオは、苦笑した。
魔王からだと語る手紙と、近々やってくるという幽霊船。
間に人を入れて渡すだけなら十分だが、確実に読ませて返事を受け取るには確証が足りない。
「ならば他に確実な証拠、あるいは強力に人を動かす何かが必要だ」


