「『信じてくれ』ではなく、『信じろ』かね」

「言い換えて、信じてくれるならそうする」

「ふむ」

エミリオは、口元の手をおろした。
信書を最初から読み返して言う。

「この生きた幽霊船というのを、我々が直接確認できる手段があれば話は早いが」

「自分達の目で確かめる気になったのなら、そうしてくれ。現在の位置だと、魔族の支配海域に侵入することになるが、協力はする」

キーヤは、いくつか用意してきた答えを伝える。

「いずれにしても私ではなく、都市を治める者が決めることだな」

「そうだ」

「私は、君達の取り次ぎ役になればいいのかな?」

「聡明で助かる」