「手狭なところですが」

エミリオが招いたのは、診察室の隣の控え室。

小さなテーブルと椅子があるだけの部屋で、

エミリオは、ドアを開いてキーヤとヘナを中に入れ、ついていた兵士は廊下で待ってもらう。

「小声で話してもらえれば、外には聞こえませんよ」

自分も部屋に入ってドアを閉めるエミリオ。
お話をどうぞと両手をひろげた。

キーヤは、目でヘナに合図する。

ヘナは、エミリオにひとつ祈りのかたちで礼をした。

礼を返すエミリオに、懐から魔王さまのリングの印がついた封書を渡す。

「ここで開けてもよろしいですか?」
「お願いします」

ヘナの言葉に、エミリオは封を解いた。