その泣く子に手を振って、送り出す神父。
待合室が静かになると、好意的に言う。
「珍しいお客さんが尋ねてきたと聞きましたが、たしかに珍しいものを見せていただきました」
エルフは人に好かれるものだが、子供まみれになっている姿を見るのは稀。
しかも教会関連の施設の中でとなると、聖職歴の長いエミリオにも初めてのことだった。
開放されたキーヤは、とにかくほっとした顔をしていた。
子供達のはしゃぎぶりとは裏腹に、人間慣れしてるエルフではないようだと見抜く。
それがかえってエミリオに、キーヤ達を信用させる気にした。
「こちらの部屋に」
エミリオは、このエルフが大事だというものを受け取るために別室に案内する。


