子供たちの要求に応えるごとに、キーヤは子供たちに慣れ親しまれ、
手が空いたエミリオが出てくるころには、
正面から抱きつかれ、耳を握られ、この後も一緒に遊ぶ約束を迫られて、大変なことになっていた。
「はじめまして、私がエミリオです。……すごい人気ですね」
「うう、やっと来たか」
大事な話の前に、ぼろぼろ風味のキーヤ。
左右に子供たちをまとわりつかせたまま言う。
「大事な届けものがあって来た。できれば静かな場所に移ってもらえるとありがたい。本当に」
最後は、お願い口調。
エミリオは、キーヤの後ろで頭を下げるヘナも見て頷いた。
「そのようですね」
「助かる。じゃあ、おまえ達も元気でな」
子供たちに別れをつげるキーヤ。
納得しない子供たちは親の手で引き離れ、泣き出す子もいるぐらいだった。


