魔王さま100分の2


「おおおっ」

どよめきが起こる待合室。

他の順番待ちをしていた人間がヘナに期待の目をむける。

ヘナは、この人達も治していいかとキーヤを見た。

キーヤは、兵士を連れてすばやくヘナによった。
兵士と受付に言う。

「見たとおり、この子は高レベルの治療士だ。他の患者も診てもいいか?」

「少しお待ちください」

受付の人間は、判断に迷うと別室に駆け込んでいった。

治療所の責任者か、治療を行っている神父かに確認をとりにいったのだろう。

キーヤは、許可がでるまで待てとヘナに目で伝える。

ヘナは、静かに頷きつつ、順番待ちの患者の中で最も重傷そうな者を無言でさがす。