ええいっ。
キーヤはヘナの背中を叩いた。
「行って来い」
「はいっ」
ヘナは、てけてけ子供のところに駆けていく。
「なにをっ?」
ヘナを制止しようとする兵士。
その兵士を片手で遮るキーヤ。
「あの子も治療士だ」
ヘナがすることを見守らせる。
ヘナは、子供のそばによると人間の言葉で親子に話しかけ、人間の作法で祈りをとなえた。
それから人間にとっては不思議な音色。
ヘナの言葉。
一瞬、ヘナの身体から無色に近い光の波紋が緩く広がったかと思うと、親子が驚きの声をあげた。
「あれ?」
「治ったっ!?」
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