魔王さま100分の2


ええいっ。
キーヤはヘナの背中を叩いた。

「行って来い」
「はいっ」

ヘナは、てけてけ子供のところに駆けていく。

「なにをっ?」

ヘナを制止しようとする兵士。
その兵士を片手で遮るキーヤ。

「あの子も治療士だ」

ヘナがすることを見守らせる。

ヘナは、子供のそばによると人間の言葉で親子に話しかけ、人間の作法で祈りをとなえた。

それから人間にとっては不思議な音色。
ヘナの言葉。

一瞬、ヘナの身体から無色に近い光の波紋が緩く広がったかと思うと、親子が驚きの声をあげた。

「あれ?」
「治ったっ!?」