「案内しますが、エミリオ神父の手が離せないようならば、また外で待っていただくことになります」
「かまわない、頼む」
キーヤは、答えた。
兵士を先頭に診療所にむかう。
全体的に白く塗られた診療所。
取り次ぎの結果、やはり外で待つことになった。
観光地での怪我や病気というのは、思いのほか多いらしい。
「転んで膝を擦りむいた子供や、海で運悪く貝殻の破片を踏んだ人、日当たり、酔っ払っての喧嘩など、様々ですね」
兵士が説明してくれた。
キーヤ達は診療所の入り口の脇、ひさしの影に入ってたたずむ。
直日の暑さから逃れ、ほっと息をつくヘナ。


