これにはキーヤが驚いた。
が、顔には出せない。

魔法兵は、ヘナとキーヤ、そして周囲のさらに集まる観光客を順に眺めた。

この都市の兵士は、警備兵であると同時に観光都市の職員でもある。

騒動のもとを放置することも、手荒く排除することもできない。

兵士はヘナの望むどおりに、
神父のところまで自分が同行して安全を確保し続けることを選んだ。

飛行杖を脇に引き寄せて言う。

「分かりました。ご案内します」
「ありがとうございます」

ヘナは、こうなることを分かっていて頭をさげた。

「た、助かる」

キーヤは、笑顔の裏で汗をかいた。