「それで、こちらの封筒には何を入れますか?」

シルキスに起こしてもらって、訊ねるヘナ。

「これだ。どちらの封書も同じ内容だから、区別はつけなくていいぞ」

魔王さまは、シルキスに起こしてもらう隙をついて、シルキスとキーヤから3枚目全ての便箋を奪いヘナに渡す。

「はい」

ヘナはそれを素直に受け取り、丁寧に折りたたんで封筒にいれた。

「あー」

叫ぶキーヤ。
シルキスは、もう諦めているので知らんぷり。

「はい?」
「いや、全く問題ない。そうだな?」

キーヤに言う魔王さま。
キーヤは、うなだれるようにして頷いた。

「……はい」

キーヤは、自分に課せられた試練も覚悟した。




──魔王さまと針路予想 終わり