「街の代表に確実に読ませて、内容を信じさせる方法を考えないと」

「まあ、考えてはある」

シルキスは、魔王さまから目を離して答える。

「あるなら、最初に言え」
「切り札だ」

シルキスは真面目な顔で言った。

周囲を見まわし、
おそらく、今のタイミングのために待たせておいたヘナを呼ぶ。

黒頭巾、黒ローブのヘナが封筒をひとつ持って近づいてきた。

シルキス達の輪に加わって、自分も屈む。

「もうとつの封筒の用意ができました」
「ありがとう」

「うむ、いい出来だ」

言う、シルキスと魔王さま。
そして、キーヤに。

「ヘナをおまえにつける。目星をつけておいた教会があるから、そこからあたれ」

「ヘナは私の大事な友達だ、しっかり守れよ」

順々に言う。