「分かった。人間どもが信じぬときは私が直接出向く。あの麺の不味さは直接言ってやらんといかん」
魔王さまは、ふんっと鼻を鳴らす。
何を食べても美味しい体質なので、それを上回る不味さに出会うと非常に厳しい。
「それは危険ですっ」
生真面目なキーヤは、即反対。
シルキスも言う。
「同時に、人間は今の魔王さまを見ても、外見だけでは魔王さまだと認識できません」
「なぜっ?」
「魔王さまが可愛いからです」
「か、可愛いからか」
魔王さま、ちょっと照れる。
このあたりは、まだまだ新鮮。
「そして、魔王さまだと分からないから、昨日あれだけ人間に交じって遊べたのです」
「なるほどっ」
魔王さまは、納得。


