シルキスは、キーヤと目をあわせる。
逡巡の間。
こいこいと手招きして、キーヤを自分の隣に屈ませる。
互いに腰を落としきった姿勢で、頭をくっつけて会話。
「しかたない、あきらめて3枚目まで読ませろ」
「おいっ」
「考えてみれば、とても魔王さまらしい内容だ。それに確かにジュースは美味かったし、麺はダメダメだった」
「これを読んで、魔王さまらしいと思えるのは俺達だけだ。初見の人間がどう思うか考えろ」
「むっ、人間が私のことをどう思うのだ?」
魔王さまが同じく座り込んで、文字通り頭をつっこんでくる。
「気が利く人間なら、ジュースと美味い食事を出さなくてはと思うでしょう」
キーヤの代わりに、シルキスが答えてやった。
自分がその場にいるわけじゃないので、口が軽くなる。


