近くにある広場に引き寄せられた優花。
何かを感じて、ただ歩き続ける。

何も置物がなく、キャッチボール等をするのに最適なその場所は広場と呼ばれている。

「広場のどこに……」

引き寄せられたとはいえ、
輝く石にたどり着くには自分で探す必要がある。

落ちている可能性があるため
地面を細かく捜索する。

「ん」
広場の中心部。
図形、文字、記号。
これらが集まり何かの紋章を形成して地面に描かれている。

「……これ?」
呆気に取られつつも
まじまじと見つめていると
それを待っていたかのようにまばゆい光が放たれる。
同時に紋章が描かれていた部分に穴があき、
光は地下へ続く螺旋階段を生み出しながら地下へ降りていく。

「あ、待って!」

後を追うように階段を降りて、光を追い掛ける。
降りた場所、周囲は空洞。
光が奥へと進んでいくだけ。
長い長い直線を駆け抜けて光を捕らえる優花。息切れしながらもそこを見上げる。

「……なに、これ」

古めかしい置物が立ち並び、
天井には先程、広場の中心で見た紋章と類似するものが刻まれている。


「来たわね」

対象に位置する通路から聞こえた声。
先程捕らえた光がその声の主の姿を映し出す。

「人間……じゃない……!」

人のようで人でない。人ならざる者在り。