「しぃちゃん可愛い。大好き。」
“大好き”
ムサシのこの大好きに、特別な意味なんてないんだ。
小さい時からもうずっと聞いている。
ムサシが生まれてから、私達はずっと一緒だった。
夏休みの家族旅行も、お正月に母の田舎に帰るのも。
いとこと言うより、まるで姉弟みたいで、ムサシはいつも私の後ろをくっついて来ていた。
母が死んじゃった後も、私達が成長してもそれは変わらなくて、高校までわざわざ同じ所に追っかけて来た。
彼氏がいた半年間だけは、少しだけ距離があったかな?
何となく私がムサシを避けてたんだ。
ムサシはお構いなしだったけど、でもやっぱりちょっとだけ、今までとは違ってた。
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