皆が寝静まった頃、修理は寝支度をして静音の額に手を当て容態に異常がないか見ようとした。

 その手を静音の左手が押さえた。そして左腕を支えにして身を起こす。
「静音!動いちゃいかん!」
「・・・もう大丈夫じゃ。傷は塞がったと言われた」

 静音は修理をきっと見て言った。
「お前は万作様と今生の契りを結んだのか!」
「いや・・・その」
「俺はお前にとって一夜の慰めだったのか!」
「ち、違う!」
「じゃ、万作様とのことを一部始終話せ!」

 修理は万作との出会いとその成り行きを話した。
 静音の目に涙が浮いた。ふうんと言って横を向いてそれを拭った。
 だが、許すとは言わない。

 静音が小悪魔の様な顔で言った。

「・・・俺が他の誰かと寝たらどうする?」
「な・・・なんだって!」
「旅の途中で色々泊めて貰ったが、代わりに身体を呉れてやってたら・・・」
「そんなことをしたのか!」
 静音はふんと目を逸らした。

 そして寝巻の裾を引き、足を開いた。
 まるで娼婦の様な仕草!
 左股の包帯が痛々しい。だが両のすべやかな太股が現れた。

 その陰部に下帯はしていない。病身で厠に手っ取り早く行ける様に、晒しの切れを褌のようにして腰に細い紐で結んである。

 小水の黄色い染みが茎の先の箇所にぽつんとついている。