五部浄が、自分が負けたことが信じられないのか、修理の顔を凝視しながらずり下がって行く。

 だが次ぎにその顔は笑った様だ。

 五部浄の左手が挙がる。幔幕の一部が翻った!
「あ!修理!」
 静音が修理の前に走った。
 五部浄の身体は修理の足下に崩れていた。

 だーんだーんという音!

 修理の前で、静音の右肩と左足から血が飛び散った!
「静音!」
「修理!早く種子島を!」

 うぬっと言って修理は幔幕に駆け寄った!その影には種子島に次弾を込めている奴ばらが!

 鬼の様な顔で修理は幔幕の中に駆け込んだ!
 一人が種子島を両腕で一文字にして、修理の剣を避けようとする!修理の怒りの剣が真っ向から振り下ろされた!その大業物は銃の鋳鉄を両断し、その男を悲鳴も上げさせずに真っ二つにした!

 幔幕が切り裂かれ血潮が飛び散った!

 二人を倒すと静音に走った!
 静音は足を庇って座り込み、剣を地に刺してようやく身体を起こしていた。修理が抱き起こすと夥しい血が肩と足の傷から出ている!
「誰か!戸板を!医者を呼んでくれ!」
 静音が痛みを堪えながら言った。
「修理・・・今度は俺と勝負じゃ!」

 そしてゆっくりと目を閉じた。