夜も更けると二人で寝室に行く。

 静音は床の上に正座して夜の庭を見ている。
 夏のそよ風が、静音の背に垂れた髪の細かい房を揺らしている。

 修理はその後ろ姿を見ていた。どこまでも愛らしく優しい姿。

 修理は自分は佐久間五部浄との戦いで死ぬだろうと思った。一雲よりもまた上の剣客が何人かやって来るだろう。
 関白の罪状をねつ造するために、町人を残虐な剣で斬った者ども!
 人では無い!
 あの時、三人も相手に勝ちを収めたのは奇跡としか言いようが無い。

 静音をそんな連中の為に死なす分けにはいかぬ!