液体は血だった。

「この鳥、かなり血出てるぞ」

アレンが言った。

ユカは長剣を片付け、鳥の傷口を見た。

「軟膏とか持ってない!?」

「あるわけねーだろ…」

私たちは途方に暮れた。


その時、鳥が動いた。


クゥーグゥー


苦しそうな鳴き声だ。


ユカは鳥の翼に触れた。

ビクンと鳥の体が動き、青い光に一瞬包まれ、小さくなった。


「…何だ?」


「何で、触ったら普通の大きさに戻ったんだろ?」


ビュンッ


耳元を矢が掠めた。


ユカとアレンはハッとして、剣を持った。


「誰かいるのか?!」

アレンが聞く。


ビュンッ


再び、矢が飛んだ。

ユカは飛んできた方向に向かって、走った。