サモンは走って行った。


「私、ずっと気になってたんだけど…」

ユカが声を低くした。

「どした?」

「私たちがいた部屋、隠し窓があった」

「…え?」

隠し窓?

全然、気づかなかった。

「私、瞬間記憶力持ってんねん♪」

ニカッとユカが笑った。


すげー…。



俺が感心していると…


クァーグァー

得体の知れない鳴き声のような不気味な音が響いた。


ユカは長剣を持ち、小屋から出た。

俺も続いた。



アレンが走り出す。

私も走った。


「アレ…何だ?」

アレンが黒い物体を指差した。

「なんだろ…鳥?」

私たちは恐る恐る近づいた。


正体は巨大な鳥だった。

大人が3人は乗れるくらいの鳥だ。



ピチャ…

私は液体を踏んだ。

「きゃっ」

私は飛び退き、液体を落ちていた葉っぱで掬った。

「…血?」