再び、彼らは図書室へ向かった。

「わ…私が初代女王の血を受け継いでる?!」

有香は驚いた。

「はい。予測ですが…おそらく」

「ちょっと待って。
それだったら、私とアレンさんは兄弟じゃないの?」

「いえ。
初代女王、シャリアン様には男女4人づつの8人の子がおりました。
子供たちは大人になり、それぞれに家庭をもちました。
シャリアン様が亡くなってからは、長男のラージャー様のご家族から順に国王になりました。
しかし、数年後、ラージャー様が亡くなり、その1年後、ラージャー様の奥様が…お子様が…次に長女のミリアン様の旦那様が亡くなりました。
1年ごとに、一人づつ…。
住人は寿命だろうと思い、気にせずに暮らしていました。
しかし、四男のご家族は亡くなったとき、四女のご家族は人間界へと行かれたのです」

1年ごとに、一人づつ…か。

なんか…病気とかじゃなさそう…。

「人間界へと行かれた、四女の子孫が、あなただと思います」

はぁ?

思いますって…

「でも、それだったら、私とアレンさんが兄弟じゃないって証明できてないよ?」

「あっ、そうでした。
シャリアン様のお子様たちが亡くなった後、家臣で一番偉い方が国王となりました。
その方の子孫がわたしです」

なるほど。

ってか…

もし、私が四女の子孫でも…私には姉がいるし…。

「でも、私には姉がいるよ?」

「あなたの方が、直感や視力…そういうものが、鋭いのではないですか?」

確かに。

私は…

選ばれた者なんだ…。

実感すると、妙に嬉しかった。


アレンは有香にどう言えば、一緒に旅が出来るのだろうと、思っていた。

しかし、考えは不要だった。


「いつ、旅出るの?」

有香が真顔で聞いた。