それでもわたしは生きている


ナオキも今回で終わりって言ってた。


なんで…


「なんでそう思うのん?」

しばらく沈黙して、彼女は静かに口を開いた。

「3年間…何もしてこなかったナオキ君が、今回はホテルへ連れて行ったの。だから…終わりなんやなって…」

私は何も言えなかった。


ナオキ…

あんたって男は…
本当に最低な男やね。


初めは別れないと言っていた彼女が、何故笑顔になり始めたのかは分からない。

途中から2人は

「どの子との浮気が1番嫌やった?」

などと、ナオキの女遍歴で盛り上がった。

2時間が過ぎ、1人の男を共有していた2人の女は最後の言葉を交わし別れた。


「ナオキ君の浮気が直って、幸せになれる事を祈ってるね」

「私が言うのはおかしいけど、サイトウさん、ナオキと別れて正解やと思う。きっと、素敵な男の人、現れるよ」


私が彼女なら、今夜どこかへ消えてしまいたいと思う。



ナオキは病室で、今日の出来事をどんな風に想像しているだろう。


私は本当に、これでいいのか…