「もしもし、サイトウさんのお宅ですか?ユミさんいますか?」 「はい、ユミですけど」 「私、ユウカっていいます。ナオキのことで…出てきてもらってもいいですか?」 「勿論!」 何度か見掛けたのと、ナオキから聞いていたイメージとは違って、力強い声だった。 彼女にとって私は、会いたくてたまらない相手だったのかもしれない。