私が16歳のあの時…
ナオキは冗談でトモコ先輩とナナコ先輩を口説いていた。
でも私の事は本気だった。
だから同棲までしたんだ。
でもあの時…
もうひとり…
本気の女がいた…
私と同じだけ続いてる交際期間…
ほぼ同時期に始まっていた。
でも彼女はお嬢様で、門限も厳しい。
族のナオキとは不釣合いだ。
そう…
ナオキにお似合いなのは、一緒にシンナーを吸える私だった…
でも2人は、私とナオキ以上に離れられなかったのかな…
男と付き合ったことのない彼女を、ナオキは指1本触れずに
大切に…
大切に…
3年間付き合ってきていた。
その彼女なら…
知っている…
ナオキと私の住むアパートを出て、駅へ向かう途中に住んでいる、ナオキの中学の同級生だ。
何度か出くわして、お互い会釈を交わしている。
ナオキは私に彼女のことをこう言った。
「中学を卒業後、偶然再会して2、3ヶ月ほど付き合ったことがあるけど、お嬢様で門限もあるし、続かなかった」
と…
3年も続いてたんや……。
