それでもわたしは生きている


結局、また探して、探して、辿り着いたのはピンクと白のカワイイ産婦人科。

闇とは違い、大きなお腹の妊婦達が自分のお腹を大切そうに抱えながら、待合室でママの為の雑誌を広げている。


そんな中に、私と同じような思いでやって来る若過ぎる女はどの位いるんだろう…


こんなこと2度としちゃいけない。



ごめんなさい…



手術が終わり目が覚めると、腹痛と吐き気に襲われた。

痛み止めの薬を飲み、枕元に用意されていた洗面器に胃液を吐き続けた。

ナオキはずっと側で介抱してくれた。



ナオキは優しい男なのか、冷たい男なのか分からない…



そして私達はまた、ママゴトを再開した。

ただし、それからはキチンと避妊だけはしていた。


そして、1年後の同じ頃…


また妊娠した…


ちゃんと避妊してたのに…と思ったけど、若い2人はきっと、正しい避妊をしていなかったのだろう。


1年経っても、約束の20歳に私はまだなっていない。

1年前と何も変わらない出来事が繰り返されただけだった。


私達は、慣れてはいけないことに慣れてしまいそうになっていた。