「アイツらはあっちで待たしとうから安心し。…助かりたい?」


当たり前の事を聞くな!


私は黙って前を見据えている。


街灯も何もない道が、少しずつ暗闇に飲み込まれていっている。

だんだん心が凍り付いていく。

平常心ではいられない。

壊れそうだ…

私は…どうなる…
教えて…



「あのさぁ、助けてやってもえぇで。お前って、もしかして処女?」


私は黙って前を見据えている。


「助けてやるかわりに俺にやらせろ、抵抗するな。そしたらアイツらには適当に言うてちゃんと帰したる。なっ!俺を信じろ!」


私の返事を聞くまでもなく、運転手は私の上に覆い被さり、助手席のシートを倒した。


今…私を助けるって言った?
助かるの?私…
生きて帰れるの?


あまりの痛さに一瞬気が遠くなりかけた。


やばい!こんなとこで気絶なんかしたら、気が付いた時どうなってるか、考えただけで恐ろしい…

しっかりしろ!私!


痛がる私に

「大丈夫…大丈夫やから。俺の背中掴んどき、力抜いて、大丈夫…」


コイツ…優しいやん…
助けてくれるって言うてるし、もしかしたらこの子はええ子なんかもしれん…