それでもわたしは生きている

「そうでもないんですよ、コールの半分はなんでもないことなんです。例えば昼間やったら『テレビのリモコンが落ちたから拾って』とかね」

「え?動けない人じゃなくて?」

「全然!普段は動きまくってますよ!たまに『また落ちた』とかね」

私は呆気にとられた。

ナースコールって、そういう使い方するんやったっけ?

「大変ですね、腹立つ時もあるでしょ?だって看護師さんかって人間やもん、いくら仕事やいうたって!」

「へへ!でも、そんなん顔に出さずやるしかないですからね!」

「頑張って下さい…私、なるべく自分で出来ることは自分でしますから」


そうや、看護師は召使ではない。

1階の壁に貼ってあったポスターを思い出した。


『救急車はタクシーではありません!』


って、そんな使い方する人が多いってことやね。

自己中過ぎるやろ!


看護師がしてくれることを当たり前やと思ったらアカン!

ちゃんと『ありがとう』って、その一言があるかないかで、看護師も気分が違うはず。

注射が大嫌いで、目には見えない病気と闘い、不安だらけなんやから、当然周りの人達に優しくしてもらいたい。

親切にしてもらいたい。