それでもわたしは生きている

だけど、スッキリすることはなく、ずっとトイレに行きたくて、漏れてしまうのではないかという感覚と闘わなければならない。

トイレに何度行っても出せない。

でも漏れそうで…

さっき取ってもらってからさほど時間は経ってないけど、思い切って看護師に声を掛けた。

1番声を掛けたくないあの看護師しかいなかった。


「あの…」

「はいはい、じゃ用意して下さい」

「あの、膀胱炎みたいで…」

「さっきとったばっかりですよね?何も出ないですよ、膀胱炎のお薬出しときますね」

「はい…」


薬を飲んでもすぐに効くわけもなく、私は丸まって


早く眠ってしまえ!
眠って目覚めれば朝だ!
そしたら膀胱炎は治ってる!
治ってる!


とベッドの中で唱えていた。


まだ夜明け前、看護師が起こしに来た。

「タチバナさん、尿とりましょか!」

「あ…は…い…」

眠ってた。


あ、治ってる!

良かったぁ。

もう絶対遠慮しない!

平気!
恥ずかしくない!
なんて思われてもいい!
今度からはちゃんと言う!

そうして入院生活は、尿を自力で出す!ということが目標となった。