それでもわたしは生きている

言い方や顔は、決して感じがいいとは言えなかった。

「あ…すんません」

今まで言われた事なかったけど、他の看護師達も

『忙しいのに!』

って思ってたんかな…


情けない…

動けるんやからオシッコくらい自分でしたいよ。


それからは、看護師達の様子を伺うようになった。

見たって忙しさは分からないし、暇な時なんかあんまりなさそうやし…

声を掛けにくくなった私は、つい時間をあけてしまった。

私が第三者なら

『尿の出ない患者の尿を取るのも仕事なんやから、遠慮なんかせんでえぇやん!』

と言ってるはず。

確かにそうなんやけど、尿を出せない情けなさも手伝って、声を掛けそびれてしまった。

その結果、膀胱炎になってしまった。


膀胱炎になると、出なくてもトイレに行きたくて仕方がなくなる。

これまで、トイレに行きたいという感覚が全く無かった為、尿がどれだけ膀胱に溜まってるかも気付かずこんなことになってしまったが、やっとトイレに行きたい!と思うようになった。

ところが、出すことは出来ず、結局また看護師に声を掛ける。