それでもわたしは生きている

だから恥ずかしがる事なんてない。

だけど、やっぱり恥ずかしいし、情けない…


それからは自分でトイレに行ってから、看護師に声を掛けて取ってもらうようになった。

勿論夜中も。

夜中は看護師が起こしに来る。

何度トイレへ行っても同じ、何にも出ない。


オシッコの出し方がわからないなんて…


誰でもいいからその辺にいる看護師に声を掛ける。

どの看護師も快く笑顔で答えてくれる。

「はいはぁい!じゃ、準備しといてもらえます?すぐ行きまぁす!」

ちょっとくらい忙しくても、こうやって私にちょっと待つように言ってくれる。

このなんでもない笑顔や言い方が、病人にとっては大きな支えになっていることを本人達は知っているだろうか。

だけど、看護師もやっぱり人間、時には機嫌の悪さを表に出す人もいるし、元々笑顔の少ない人もいる。


ある朝、私はいつものようにお願いをした。

大体時間はいつも同じ頃だ。

この日は普段あまり声を掛けない看護師だった。

処理はしてくれたけど、最後にこう言われた。

「この時間忙しいんでね、今度から8時過ぎてからにしてもらえます?」