それでもわたしは生きている

「はい…」

「戻ってきたら声掛けて下さいね!」

「はい…」


私は言われた通り便座に座った。

そういえば、トイレに行きたいという感覚を長い間感じてない。

クダを通してたからだ。

膀胱に尿が溜まる以前に、クダを通して点滴をぶら下げてるキャスター付の物体にぶら下げた袋に垂れ流しだったのだから。

尿の袋の両側にはお腹に刺さったクダから流れ出る血液のようなものが溜まっていっていた。



私は便座に座ったものの、どうしていいのか分からなかった。


オシッコって…どうやってするんやったっけ?


気張ってみた。


なんか違う…


よくわからないまま、数分ボーッとして病室へ戻った。


「出ました?」

「全然」

「最初は皆そうです。でも大丈夫!ちゃんと出る様になりますからね、焦らずに練習していきましょ!じゃ、クダ通しますから脱いで寝て下さい」

なんと恥ずかしいことだろう。

股を広げて尿道にクダを入れてもらい、尿を取ってもらう。

「出ましたよ!沢山溜まってましたね、スッキリしたでしょ?」


わからない…
感覚がない…

分かってる、医者や看護師はこんな状態見慣れてる。