それでもわたしは生きている

…なんて…

でも、私はまだ生きてる。

生きろって事なんやね。

まだまだやらなアカン事がいっぱいあるんやね。

わかりましたよ、お天道さん!


私は生かされている。



毎日毎日、少ぉしずつ歩く練習をした。

今日は隣りのベッドまで。

今日は4人部屋の端から端まで。

今日は廊下に出てみよう。

1歩ずつ、1歩ずつ…

そして、なんとかゆっくりとトイレまで行けるようになるのに何週間かかっただろう。

やっと、尿道からクダを外してもらった。

そして看護師は言った。

「オシッコ出ないと思いますけど、3、4時間おきにトイレ行って便座に座って下さいね!」

「オシッコ…出ないんですか…?」

「はい、なので毎回クダ通して取りますからね。これも、練習しましょうね!」


私、赤ちゃんみたい…

違う、赤ちゃんは自分でオシッコを出せる。
私は出せない。

出せないって、どういうこと?



「タチバナさん、トイレ行きたいですか?」

「え?トイレ?いえ、全然」

「じゃぁ、1回トイレ行ってみましょうか!出なくてもいいので便座に座って下さい。出るようになったらどれだけ出たかビーカーに取って下さいね」