それでもわたしは生きている

プルプルしたままどの位立っていたんだろう。

きっと1分も経っていないのではないか。

「はい!今日はこの位にして、また明日練習しましょう!」


練習?

私、練習せな歩かれへんの?


ベッドに腰掛けて、足をベッドの上へ戻そうという行動をとった。


なんで上がらへんのん?


看護師は驚きもせず、私の両足をベッドの上に持ち上げてくれた。


私はお腹は切ったけど足には何もしてないのに…


歩けるようになるまではトイレにも行けないので、便の出ない流動食が続いた。

味のないお粥の米抜き。

要するに、トロミのついたお湯?


おいしくない…


スプーンでチビチビすするが、食事をしてるという感覚も無く、すぐにごちそうさまをしてしまう。

テレビを見る元気はないはず、と言われてからは、ただボーッとしていた。

気が付くと寝ている。

今日もベッドを少し起こしてボーッ。

窓際で良かった。

真っ青な空が見える。

世間では夏だが、心地良い温度の室内にいると、入院した時のまだ肌寒い季節の感覚のままだ。