それでもわたしは生きている

せやけど、私麻酔されて寝てただけやのに、なんで体力消耗すんねやろ?


後日、アケミ先輩が言った。

「だってな、ほんまやったら空気に触れるはずのない内蔵達が、空気にさらされたうえに手ぇで触られたりすんねんで!ビックリして身体もおかしなるやろ!」



足の感覚が戻ってきた。

起きたい!


「起き上がりたいんですけど」

「そうですね、2日目やし、立ち上がるだけ、やってみます?」

私は看護師に背中を支えてもらって、両側の柵を掴み、腕の力で起き上がった。

「凄い凄い!痛くないですか?この分ならすぐ元気になりますよ!」

今度はベッドから足を下ろす。

意外に足が重い。

「ゆっくり足に力を入れて立ち上がって下さい」

看護師に手を添えてもらって、身体にいくつものチューブをぶら下げたまま立ち上がろうと足を踏ん張った。

いつものようにしたのに、立てない…

私は全身に力を込めてゆっくりと立ち上がった。

足がプルプルする。
身体が鉛のように重い。


なんで?
寝たきりやったんはたったの2日だけのに、なんで立たれへんのん?

足を1歩前へ出したかった。

でも足が上がらない…