それでもわたしは生きている

私は吐き気を催した。

人が生死を彷徨いかけて、助かって。

助かっても痛くて苦しくて動けないのに、でも生きようとしてるのに、世間では人をゴミみたいに扱ってる。

自分の命さえも…


私はチャンネルを変えた。

どこへいってもこの時間帯は同じだ。


あ…


私の口角が少しだけ上がった。


これにしよう。


小さな子供達がお兄さんやお姉さんと一緒に楽しそうにグルグル回ってる。


私は子供好きってわけではないが、今の私はこの光景に癒されながら、また眠りに墜ちていった。



「タチバナさん、ちょっと痛み止め見せて下さいね」

顔の横でプラプラしてる筒だ。


痛み止めやったんや。
どこに繋がってんねやろ。


「これは、背中に刺さってるんですよ」


ゲッ!
聞くんじゃなかった。
痛い痛い痛い…


「あの、すっごい寝るんですけど。気が付いたら寝てるんです。1時間起きてられへんし、テレビ見てても目がぼやけるし、なんでですか?」

「あぁ、そりゃそうですよ!6時間も手術してたんですから体力消耗してますからね。大体テレビ見る元気ないはずですよ」


え…そうなん?
なんや…疲れてたんか。