「あんな、アイツにお前の事話てん」

彼女にもドS振り発揮してるんや…

「なんで言うん?」

「ちゃんとせなアカンな、思ってな」

「彼女の事、好きなんや…」

「当たり前やん!愛しとうで!」



この世の中で…

何よりも鋭い刃で…

たった今…

全身を切り刻まれた…


ヒロアキ…

それでも私はついて来ると思ったの…?



ヒロアキは私に軽いさよならをして帰っていった。

明日も明後日も、これからもずっと、職場で会う度やり直せると、そう思ってたんやね。

いつものように…



私は、本当にヒロアキとの関係を終わりにした。


私は…
静かに職場を退職した。



プルル…

『只今、電話に出られません…』



ヒロアキからの電話…

今更…

私に何が言いたいの…


メールアドレスは、とっくに変えている。


何度も何度も鳴る電話…

出たい…

出たくない…

ヒロアキの声が聞きたい…

でも話したくない…



ピンポーン!



「はい」

「オレ…」

「!!…ヒロアキ…」

「開けてくれるか?」

「嫌…何…?」

「もうオレに会いたくないって事か?」

「う…ん…そう…」