それでもわたしは生きている

「お、おぉ」




「じゃ、今日はごちそうさまでした!」

「おぅ!また明日な!」


車から降りようと、ドアに手を掛けたその時…

突然右腕を引っ張られ、キスをされた。

すぐに顔は離れたが、2人は見つめ合ったまま、もう1度ゆっくりと近付いて行った。




私の頭の中からコウジは消えていた…




部屋に戻るとタイミング良く、コウジから電話が鳴った。

「もっしもし!お疲れ!」

ご機嫌な様子のコウジ。

「あのさ!明日さ!たまには2人で大人のディナーでもどないや?」

「…う…ん」

「どしたん?」

「なんか…ちょっとしんどくて…ごめん…明日は家おるわ」

「大丈夫か!今から行こか?」

「え!?いや…いい、いい!大丈夫やから!」

「ほんまに?なんかあったら言いや」

「うん、じゃ!」



私は…

気付いてしまった…



最初からコウジに愛情はなかった…



コウジが私の事好きだから付き合った。

その方が幸せになれるのかな、と思った。


子供を理由にフラれる事が許せなかった。

悔しかっただけ。

3年続いたのは…
別れる理由がなかった…