それでもわたしは生きている

お陰で年配の先生からは、衣類や布おむつ等、内緒で寄付してもらえて助かった。


コウジは本当は子供が嫌いだった。

世間では、自分の子供が産まれたら変わるという言い伝えに対し

「オレは変わらんかった先輩を知ってる!だからオレも変わらん自信ある!」


何の自慢…?


そう言っていたコウジが…

私と別れて、後悔して戻ってきた理由が…

ソウタ…?


母にしか分からない気持ちかな?

もしかしたら、私を思い出してくれるより嬉しいかも…?




コウジとソウタと3年を共に過ごした。

コウジは仕事の休日には、私の家のさほど大きくはない冷蔵庫をいっぱいにしてくれる。

ソウタを撮る為のビデオも買ってくれた。

私にも色々買ってくれた。

ただ、私は貴金属をコウジにねだる事はなかった。

そんな私にコウジは益々惹かれたらしい。

だけど…
私が貴金属をねだらなかったのは…

コウジが惹かれるような理由じゃなかった。



3年の間にソウタの卒園式もあった。

私は外では絶対泣かない!そう決めてる!

だけど、式は泣かそう泣かそうとさせる。

私にとっては、ソウタが産まれた瞬間から戦争の6年間だった。