それでもわたしは生きている

数日後、コウジから電話があった。

「ちょっと話あんねん。今から行くわ!」



「何?話って…」

「ごめん、あれから1人で色々考えとってんけど…ソウタが頭から離れへんねん!!」


へ?
ソウタ?


「ご飯食べに行ってても、オレの嫌いなおかず、アイツ食ってくれとったな…とか、自販機行ったら、アイツ、ボタン押したがっとったな…とか、タバコの空箱ポイ捨てしたら、アイツ、落ちたでってわざわざ走って…ホンマに落としたと思って…アイツ…」


あの…
私…は…?




そういえば、ソウタは私と違って、誰からも好かれる子供だった。

見た目はチキ○ラーメンのヒヨコ。

地元の保育園にも、2年だけいた保育園にも、ソウタを溺愛してくれる先生が必ずいた。

クラスが変わって新しい先生と挨拶した時も

「前の先生からカワイイカワイイって聞いてて、何がそんなにカワイイのか分からなかったんですけど、担任になってみてすごくよく分かりました!本当にカワイイ!」


なんかちよっと言い方引っ掛かるけど…
まぁ、いっか。


てな具合で、ソウタは大人を虜にする人懐っこさを持っているようだ。