それでもわたしは生きている


お互いの仕事が休みで、私の家に遊びに来ていたコウジは昼寝をしていた。

コウジの携帯がなった。

コウジは私が電話に出る事を拒まない。

だからこの時も

「はい!」

「もしもし?コウちゃん?」


あれ?女?


「コウジ、女から電話」

目を見開き、今まで見た事のない速さで起き上がったコウジに電話を渡してあげた。

コウジは恐る恐るといった感じで

「もし…もし?」

と言った後、また目を見開き、慌てて家の外へ飛び出して行った。


数分して戻ってきたコウジは

「ごめん!ちよっと行って来ていい?」

「どこへ?なんで?」

「お前の言うた通りやった。前の女、平気ちゃうかったみたいで…死ぬ言うてんねん…だから…ごめん…行かして。絶対帰ってくるから!」

私は落ち着いていた。

「彼女、死なへんよ」

「なんで?」

「ほんまに死ぬ人間がな、今から死にます!なんて電話してくるわけないやろ!私の友達は、独りで静かに死んでいったわ!」

「でも…取りあえず、行かして!最初で最後やから!」

「好きにしぃ」


コウジは飛び出して行った。


卑怯者!
私の1番嫌いなやり方だ!