「おい銃をもってくるんだ、縄もだ!!」


この嵐で、船が傾きかかり、視界も悪いが、時々照らす灯りで、そいつの大きさはわかった。



4メートル近くあったはずだ、肺呼吸をしているようだが、エラらしきものもある。



そいつは陸上でも少しは歩けるらしい、脚のようなヒレを持っていた。



僕は思い出した。


「まるで、イプロマイトだ、父の考えは正しかったんだ、まだこんな古代生物がいたなんて・・・・・・・・・!」



「何やってんだ、jr!!」



僕は我に返った。



目の前には船員達が血まみれで倒れている。



船の周りを見ると、目の前の生き物より、数倍の大きさの影が幾つもみえた。



「はやく、縄だー!!」


船員達は尚も応戦している。



船長は何か叫んでいる。

「縄なんていい!早くそいつを海に返すんだ!!周りを見て下さいっ、船を壊されます!!」


僕を含めた三人の船員は船に積んである中型のモーターボートに乗り込んだ。


「みなさん、はやく来て下さい!!」

「お前らは行け・・・・・先に帰って、宣伝しとけ!
お前の父親と俺は昔から、話してたんだ、こいつのコトをな」



壮絶な光景の中、船長は叫ぶように言った。