「着いた!」


翠ちゃんが目をキラキラさせながら言う。


ここが恋愛成就で有名な神社かぁ。


でも…本当にご利益あるのかな…?


あたしはそう思ってしまった。


神社の外観はもはや普通の神社じゃない。


肝試しの名所になりそうな、もう使われていないような感じ。


今、空はすごく晴れてるけど…この清々しい青空が神社に合ってない。


「恋愛成就の御守り買おーっと♪」


翠ちゃんの声が聞こえる。


改めて思ったけど…

翠ちゃんって好きな人いたっけ…?


「じゃあ俺も。」


「俺も買うかな。」


「…えぇ!?」


あたしは思わず声を出してしまった。