呪われ海との約束

「………そんな訳ないよなぁ…、さすがに」

微かに開いているカーテンに近づく。

シャッという良い音と共にカーテンは大きく開いた。

そして窓も開ける。

まさかな。まさかね。ないよな、そんなの。

ほぼ願望に近い言葉をずっと繰り返し呟く。

そして玄関の方を見る。

携帯から声がした。
まだ電話してたということを忘れていた。

「ピンポーン♪」

玄関にいた黒い影、そして今俺と電話している張本人。

「…………匠…」

匠があの頃の仕返しと言わんばかりの黒い笑みを浮かべてた。