呪われ海との約束

ガチャッ…

開いたドアにはいかにも“今から遊びます”って感じの格好の匠が立っていた。

「あっれ~?準備出来てないんじゃなかったんだっけ?」

ニヤリと黒い笑顔の俺に匠は呆然としている。

「どうせ匠のことだから、俺に先に行かせてどっか遊びに行くんだろ」

匠は下を向き、頭を手でかいている。
マンガでいう“まいったなぁ~”って感じのポーズ。

俺はお気楽に匠の様子を説明しているが、実際にはあり得ない程の冷や汗が出ていた。

「昼になったら親が帰ってくるから補習に来ないって電話がきたとき親に無理矢理行かされるのが嫌だからだろ?」

わざわざリスク背負って遊びに行く理由もズバリ当ててやった。
同級生に会ったら確実に「補習は?」って聞かれるからな。

それさえも合ってたのか顔が青ざめていく。
と同時にあり得ない程の冷や汗の量がまた増えた。