アンティークな雰囲気が漂うこの図書館では、 蕾の格好がよく映える。 蕾はこの空気が好きなのだ。 まるで映画のワンシーンのように絵になる自分の姿に浸るこの瞬間が。 蕾はふんわりと広がったスカートをつまみながら、 古くて色褪せた木の階段をゆったりと降りた。 時間をかけて本棚を見て回ったあと、 古びたカバーの詩集を一冊だけ借りて外にでる。 その時、図書館にいた夢見がちな青年たちが彼女に心奪われたのは言わずもがな。