「ねぇ…及川くんってあんな人だったっけ…?」


「…知らん。私は知らん!」


「蕾ちゃん、もしかしたら及川くん…蕾ちゃんに復讐しに来たんじゃ…!!」


「…!だから私は嫌だって、アイツはヤバいって言ったのに〜〜〜!!!」





「―あれ、北大路さん?」




近づいてきたのはもちろん、及川脩だった。


気が付くとギャラリーはいなくなり、蕾と由紀は2人で言い合っていたらしい。


さっきまでの冷たい表情とは一変し、柔らかい笑顔を浮かべる脩に、蕾は条件反射でファイティングポーズをとった。。




「おのれ及川…!
貴様そうまでして私をいたぶるつもりか!!」


「?よく分からないけど、来てくれて良かった。
北大路さん待ってたんだけど、なかなか出て来ないから校舎に押し入ろうかと思ってた所だったんだ」


ニコッと首を傾げ、爽やかなオーラを醸し出す及川脩。


だけど、言ってることが全く爽やかじゃない。




「あの、蕾ちゃんに何のご用でしょうか!」


スッと前に出たのは由紀だった。


蕾はその後ろで決闘の構えを崩さずにいる。