「でも本当に、蕾は恋とかしたいって…思わないの?」


不意に真面目な顔つきで、麗が聞いてきた。

蕾も同じように見つめ返したが、彼女の答えは変わらない。


「興味ないよ。
恋なんて必要ないし。


――どうせ、結婚相手は自分じゃ選べないんだから‥‥‥」

「蕾‥‥‥‥



‥‥‥って嘘つけ!!!
あんた別に婚約者なんていないでしょーが!!」

「ちっ、ばれてたか」

「バレバレだよこのバカ!」



北大路蕾、ピッチピチの女子高生。

残念ながら、
恋愛経験は0である。