PM7:00
ようやく電車に乗り、帰路につく。
電車内は学生達で騒がしい。
「あ、ごめんなさい!!」
1人の女子高生が蕾にぶつかった拍子に、
蕾のカバンが床に落ちた。
「いえ、お気になさらないで」
内心ムカついたが、今はまだ天使。
天使スマイルを無理やり作ってそう言うと、カバンを拾いあげる。
1つだけ落としたままの学生証には誰も気付かなかった。
蕾が降りる駅に着き、真っ先に降りると颯爽と改札へ向かった。
「あの、」
すぐ後ろで誰かを呼ぶ声がした。
お腹へった‥‥
蕾はますます足を速める。
「あのーっ」
うるさいなぁ。
誰呼んでんだよ
「‥北大路さんっ」
「‥‥ん?」


